皆さんはセカンドオピニオンを知っていますか?日本の医療では、医師・患者間の溝が深く、ただ単に病名を告げられ簡単な説明で終わり、本当にその治療方法が自分に合っているのかと不安に思うことも少なくないと思います。そこでこうした現状を打開するためにうまれたのが『セカンドオピニオン』というシステムなのです。
複数の医師の意見を聞くことにより、
①多くの知識がえられる
②多くの考えに接することができる
③多くの治療方針を知ることができる
④自分の考えを整理することができる
⑤自分にあった治療法と主治医を選ぶことができる、
等が挙げられます。
主治医は、先入観のない客観的な情報を患者さんに伝える義務があり、その人の生活背景、価値観、その後の人生に対する考え方を尊重し、どのような治療を望んでいるかを把握した上で、「その人に」最も適した治療を患者さんと共に選択していくことが重要だと考えます。
鳥居 伸一郎
前立腺肥大症で現在、飲み薬での治療を受けており、他の医師には手術を薦められていて、どちらを選択すればいいのか困っております。」といったような相談をよく受けることがあります。前立腺肥大症の治療に関して、飲み薬による治療、経尿道的前立腺切除術を始めとする手術療法、レーザー療法などがあります。
一般に「がん」の場合は手術療法が唯一の選択肢となることもありますが、前立腺肥大症などの良性疾患に関しては、本人の意向や判断、しいては人生観が優先されます。医師から客観的な各々の治療方法の利点、欠点を説明してもらい、そしてご自分の現状を踏まえた上で選択していくことをお勧めします。
現在の治療方針などに疑問が残る場合には別の病院の医師に意見をきくこと(セカンドオピニオン)も大切です。 患者さんはよりご自分にあった治療方法を選択できるよう、セカンドオピニオンをうまく活用し、自分自身の治療をよく理解し、選択していくことが重要だと考えます。