メディカルアロマ認定施設

鳥居泌尿器科・内科は2018年4月1日より、一般社団法人日本アロマセラピー学会認定施設となりました。

メディカルアロマセラピーとは

アロマセラピーとは植物が持つ天然の香りの成分を蒸留や圧搾などその植物に適した方法で抽出した精油を用いて、精油の持つ薬理作用を利用し、健康の維持・増進を目的とした芳香療法です。

アロマセラピーで使用される精油の中にはたくさんの芳香成分が含まれており、芳香成分の種類や構成比率で精油の香りや作用がある程度予測がつきます。精油自体の成分がわかっていれば、症状緩和やリフレッシュ、リラックスなど目的ごとに精油を選択することは可能です。

しかしながら、人間には気質や体質などの個人差があり、同一人物においてもその時々の置かれている状況で体調や気分が異なります。例えば、頭痛が辛いとき、まずはその頭痛はどのような原因で起こっているのかをアセスメントする必要があります。風邪症状のひとつとして、いつもの肩凝りから、もしかしたら脳の病気と関連があるかもしれません。

頭痛の原因によっては急いで医療的な処置が必要になることもありますし、患部を冷やした方が楽になるタイプもあれば、逆に温めた方が楽になるタイプの頭痛などもあります。ただ辛いからと言ってやみくもに痛み止めを飲むというのは根本的な解決になりません。原因が何かわからずに痛み止めを飲んでしまうと、痛みの原因がうやむやになり、余計身体が深刻になってしまう危険性があります。しかしながら、薬や処置など医療の力ですべての苦痛が取り除けるわけではありません。

そこで、医療の視点に加えて、自分自身が自分自身の“今、この瞬間の”心身の状態を捉えることが大切です。人間には皆、本来のあるべき姿、“自分らしさ”があります。今の自分に必要な精油を選択し、その香りに癒されたり元気づけられたりすることで、忘れかけていた大切な何かに気が付くきっかけになるのではないでしょうか。

感情や気分が変わるメカニズム

私たちの気質と体質を形成する要素の中で核となっているのは脳の中にあるモノアミンという神経伝達物質です。

私たちの日常生活における何気ない行動や日々の感情の起伏などは、意欲や元気に関わるノルアドレナリン、安心感や冷静さに関わるセロトニン、満足感や幸福感に関わるドパミンなどの脳内モノアミンのバランスの揺るぎが影響しています。

人間にはホメオスタシスと言う、様々な外界からの刺激(いわゆるストレス)で外部環境(生物を取り巻く外気温、湿度、光、細菌やウイルスなど)が変わっても、体温や血糖値、血液酸性度などの内部環境を一定にしようとする仕組みがあります。その仕組みは主に自律神経系と内分泌(ホルモン)系の働きによって維持されます。

ストレスにも良いストレスと悪いストレスがあり、良いストレスとは良い刺激を受けることで意欲や向上心が高まったり、自分の成長に繋がったりします。つまりはある程度のストレスはあった方がよいと言えます。しかしながら、その刺激が強すぎたり、長く続いてしまうと、心身ともに疲弊し、疲労が蓄積した結果、心身のバランスを崩すことも考えられます。ストレスがあらゆる不調、病の引き金と言っても過言ではありません。

そこで、人を“病名”や“臓器別”ではなく、自律神経系と内分泌系などの“状況別”、“役割別”に分類している東洋医学の考え方は最もシンプルに人の身体を医学的に考察しています。そうした東洋医学と西洋医学の融合が当院院長の鳥居伸一郎が提唱する「ハイブリット証」です。「ハイブリット証」は統合医療の一環であり、メディカルアロマセラピーがそのひとつの方法論です。

なぜアロマが効くのか

アロマセラピーの具体的な施術方法としては精油の香りを嗅いだり、ホホバオイルなどの植物オイルで精油を希釈して皮膚に塗布したり、マッサージをしたりするのが一般的です。

その中でも精油成分を体内に取り入れる方法では、吸入が最も早く、最も古い方法と言われています。

吸入された精油成分は肺と脳へ吸収され、血液を介して全身に作用します。鼻は吸った空気を温めてろ過する機能と匂いを感じる最初の部分として働く、という2つの異なる機能を持っています。鼻から吸入された精油成分は肺から肺の中の肺胞(普段は呼吸器としてガス交換が行われる場であり、ブドウの房のような非常に細かい毛細血管と結びついて表面積を広げた構造をしています)から取り込まれます。鼻腔から入り込んだ芳香分子は嗅覚=匂いとして嗅神経を介して嗅球へ伝わります。

嗅覚は人間の五感の中で唯一大脳辺縁系という本能の脳と連動しているだけでなく、嗅覚のある脳のエリアは感情のプロセスを司る扁桃核や学習や記憶に関連する海馬、自律神経の司令塔である視床下部に密接であり、人間の機能維持に重要な部分です。

つまり、アロマ=精油は単なる“いい香り”だけに留まらず、脳内神経物質の観点から人間の体調や感情をコントロールできると考えられます。


鳥居泌尿器科・内科
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